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染め上がった着物や帯に金や銀の箔をほどこし、華やかに仕上げていく。金彩工芸士・木村直義さんは、祖父である日本画家・木村光年さんゆずりのセンスを活かし、友禅の中に品格ある美しい輝きを演出しています。
今回は、閑静な住宅地、嵯峨の宇多野にある木村さんの工房におじゃましました。緑に囲まれたお宅の一室は、まさに熟練職人の仕事場という風情。机の上には竹製の砂子筒や多種の金箔、銀箔がきらびやかにスタンバイしています。ズラリと並んだ砂子筒はそれぞれ網目の大きさが違っていて、ふるい落とされる金粉の大きさも微妙に変わるとのことでした。

「ちょっとやってみよか」そう言うと木村さんは慣れた手つきで金箔の入った砂子筒を持ち、友禅の糊模様の上で入れ筆をかき回しはじめました。あっという間に金粉がふるい落とされ、たちまち優美な金彩模様が仕上がったのです。そのほか、金粉と糊を練ったブレンド金粉で直接模様を描く技法や布の上からマスキングテープを模様の形に切っていく縁蓋作業など長年の習練による技は、本当にあざやかなものでした。
▼繊細にて絢爛。遠いインドにも思いを馳せて。
「この仕事はおもしろいと思った」訥々と語る姿に木村さんの謙虚で穏やな人柄が見え隠れします。お二人の娘さんの着物もプラチナ箔を使って華やかに装飾なさったのだとか。
手書き友禅の加飾だけでなく、インテリア装飾品などのアイテムでも表現される金彩工芸は、伝統に磨かれた技なくしては語れません。インド、ジャワ、中国を経て宋の時代に日本に伝わってきたといわれる印金技法。インドネシア雑貨店「bulan」も営む木村さんの世界に日本の伝統工芸を超えた不思議な魅力を感じました。
■おすすめアートギャラリー
今回のおすすめは、なんだか幸せな気分になるというか、福々しい縁起もの揃い。いずれも木村さんの熟練した技術による細やかな金彩がほどこされています。中でも純金仕様の「縁起だるま」は、まさに芸術品。異国情緒漂う雑貨類もきらめくインテリアとして、すてきな空間を演出してくれることでしょう。
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木村 直義(きむら なおよし)
金彩工芸士
1951年生まれ。
日本画家・木村光年<祖父>
木村正人<父>の家系に生まれる。
京都市立日吉高校美術科卒業後、
京友禅・金彩友禅を手がける。
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